Treasure

 

感想文 : 『奴隷 I 種』

 

奴隷 I 種 作者:神沢青様/掲載サイト:光彩陸離
DL版(html)/番外編
◆小説直通リンク◆



あらすじ
 彼女は奴隷 I 種、皇帝の寵を受ける猛き狩りの女神。たとえようもなく麗しい見目をしていながら、決して華麗な色には染まらずいまだ故郷を思うサイファは、夜毎城からの逃亡をはかっていた。そんな彼女につけられた教育係、同じく皇帝の I 種であるユウザは、サイファの郷愁を汲んで皇帝にサイファの里帰りを願い出る。
 サイファはユウザに付き添われて故郷へと向かうが、旅の間彼女たちの関係は変化をみせる……。
感想
 うわあやばい、というのが読み始めてすぐの心の声でした。やばい、すごいのめりこみそうな気配。……最初はね、ちょっとずつちょっとずつ読もうかなあと、そう考えていたんです。でも結局止まらなくて、わたしが読んだ時点で作られていたダウンロード版(1〜10話)まで一気に読んでしまって、サイトへ飛んで続きを読もう――としたときに気づきました。
 ここで一気読みしたら、明日のお楽しみがなくなる、と。
 ことオンライン小説に関しては、わたしはおもしろいものを一気読みして次の日今日の分残しておけばよかったよと落ち込む人間なのです。続きは明日ね、となだめてその夜はおとなしく床に就きました。
 読み始めるとね、ほんとに止まらないんです。しかも顔が勝手に笑ってる。特にサイファとユウザの関係が笑みを誘います。笑えるってことではなく、微笑ましい意味で。サイファがいいんです、自然のなかで育った彼女のおおらかさ、そして鈍さ。でも鈍い鈍いと思っていた彼女も、どことなくもやもやしてていいんですけど。
 皇帝がどんな意図を持ってユウザをサイファにつけたのはわかりませんけれど。でもふたりにはふたりでいて欲しいと思います。
 最後にひとこというならば、この「奴隷 I 種」という作品、良い意味で紹介文を裏切られる物語です。検索サイトなどで見かけたら、是非飛んでみてください。<上から飛べるけど
キャラクター語りユウザ・イレイズ
 彼はサイファと同じく、皇帝の奴隷 I 種です。イグラット帝国の制度において、人は自分よりも身分の高い者に請われれば従属をやむをえなくされるのです(この設定に、わたしはすごく感激しました)が、彼も本来ものすごーく高貴な人間でありながらいちばん偉い人=皇帝に言われて皇帝に仕えているわけです。
 このユウザがですね、不適当な言葉かもしれないけれどちょっとかわいいです。あんまりそういうの似合わない人なんですけど、サイファが絡むとただの人に見えます。
 とにかくね、読まないとわからないかもしれませんけど! 見ていて思わず笑ってしまいます。サイファは鈍いし。テラさんとにらみ合ってるところなんて、本当いいです。わたしはそういう彼のほうが好き。

 

Special Thanks !

千矢万光 八城咲実 様 / [ 2003.08.27 ]
“千矢万光”、「小説紹介」より