Written by Ao Kamisawa.
『奴隷 I 種』
第 65 話  [てん]歯車[はぐるま]
「はっくしゅんっ!」
 自分のクシャミの音で、サイファは我に返った。
 たった今、己の身に起きた出来事が、とても現実とは思えない。唯一つ、証拠のように残された、この湿った衣服の感触を除いて。
(何で、こんなことになっちゃったんだろう……?)
 サイファは泣きたくなった。
 元はといえば、全部、自分が悪いのだった。
 エレミナとの歌の稽古に熱中しすぎて、サイファは完全に時間の感覚を失っていた。戻りが遅いからと、モーヴが心配して様子を見に来てくれた時には、既に一日二時間の予定を大幅に越えた、夕暮れ時になっていた。
 更に悪いことに、公務を終えたユウザが、もう居室へ戻っていると聞かされ、サイファは慌てた。こんな時間までどこにいた? と聞かれたら、うまくごまかせる自信がない。
 だから、モーヴの機転は天の助けだったのだ。
『大丈夫。貴方は今、ミリアと一緒に湯浴みの支度をしていることになっています。稽古がすんだら、真っ直ぐに湯殿へ向かいなさい』
 良いですね? 急ぐのですよ? と、念を押して帰って行ったモーヴとのやりとりが、エレミナ姫の耳にも入ったようで。
『皇太子殿下にはくれぐれも御内密に、との陛下のご厳命ですものね』
 今日はここまでにして早くお帰りなさい、と快く送り出してくれた姫へ慌しく[いとま]を告げ、サイファは全力で廊下を走った。湯気が充満した無人の浴室へ駆けこみ、間に合った! と、一息ついたところへ、ちょうどユウザが現れたのだった。
 ここまで、せっかくうまく繕ったのに、それをおかしな方向へ捩じ曲げてしまったのも、やっぱり自分なのだった。
 どうせ来たのだから、ついでに彼の背中を流してあげよう、という軽い思いつきが、何を、どう誤って、こんなことになってしまったのか……。
 サイファは、[いま]だに激しい動悸を続ける心臓を、そっと掌で押さえた。
 ユウザの裸の胸に正面から抱きしめられた時、頭のてっぺんからおでこへと柔らかく唇を押し当てられた時、甘噛みされた耳たぶに熱い息吹を感じた時、あんまりドキドキしすぎて、気が遠くなった。
 つい先日、蔑むようにされた口づけとはまるで違う、優しく、慈しむような触れられ方で、思わず、このまま身を任せてしまいたい――と、思考を放棄した時だった。
『あまり、私を苦しめるな』
 ぞっとするほど色っぽい囁きを残して、またしても突き放された。
「……苦しめてるのは、あんたの方じゃないか……」
 呟いて、サイファは深い溜め息をこぼした。
 今でも信じがたいことに、ユウザは、テラに嫉妬したのだ、と言った。
 それはつまり、自分とテラとの間にある肉親のような絆を、彼が恋愛関係と誤解し、妬いたということだ。
 では、なぜ自分のことを愛玩用の奴隷≠ニ言いきった彼が、焼餅をやかねばならないのか?
『……言わずとも、わかるだろう?』
 あの時のユウザの、自分を見る切なげな目つきと、縋るように抱きしめられた現実とを照らし合わせれば、出てくる答えは一つしかなかった。
「……あたしのことが、好きってこと?」
 言葉にした途端、サイファはにわかに落ち着かなくなった。こんな都合の良い、夢のような話があるだろうか?
「いやいやいや、ないない、それは絶対にない!」
 今まで、どれだけ彼の思わせぶりな態度に惑わされ、翻弄されてきたことか。今回だって、[たち]の悪い冗談に決まっている。
(でも――)
 もし、万が一、奇跡的にも、本当だったとしたら……?
 サイファは、頬が熱ってくるのを感じた。ユウザの本心を、確かめられたら良いのに。
(どうして、言わなくてもわかるだろう、なんて、曖昧な言い方をするんだろ?)
 好きなら好き、嫌いなら嫌い、とハッキリ言ってくれたら、こんなに悩まずにすむのに。
 そう思ったら、段々腹が立ってきた。
 大体、ユウザはいつもそうだ。
 いくら陰謀渦巻く宮中を生き抜くためとはいえ、彼はあまりにも胸の内を明かさなさすぎる。政治や命に関わる重大な秘密ならまだしも、自分のことを好きかどうかくらい、正直に言ってくれても良いではないか。
 それなのに――。
「何が、私を苦しめるな、だよ! 自分ばっかり被害者面して!」
 ユウザの大バカ野郎! と、思いきり悪態をついた瞬間。
「何を、独りで騒いでいる?」
 ガラリと引き戸が開き、新しい衣服に着替えたユウザが顔を出した。
「まだ、居たんだ?」
 てっきり、もう行ってしまったとばかり思っていたサイファは、吃驚して顔を強ばらせた。もしかすると、さっきの悪口を聞かれてしまったかもしれない。
「ああ。殊の外、着替えに手間取ってな」
 何事もなかったような涼しい顔をして、彼がさらりと続ける。馬鹿だから、と。
 やっぱり、しっかり聞かれていた。
「……あんた、思ったより性格悪いな」
 何て嫌味なんだ、と露骨に眉をひそめてみせると、ユウザは、くすと笑んだ。本当の私≠ェわかって嬉しいだろう?
 まったく! この男は、いけしゃあしゃあと!
「ああ、嬉しいよ!」
 サイファは喧嘩腰に――でも、心からうなずいた。
 自分がユウザについて知っていることなんて、本当に微々たるものだ。彼の好きな色が藤色≠セということも、クロエに教えてもらうまで知らなかった。
 好きな歌は? 嫌いな食べ物は? 子供のころ、何をして遊んだ?
 もっともっと、色んなことが知りたい。大切なことも、どうでもいいことも、ユウザ・イレイズのことなら、何でも。
「ついでに、あんたがあたしのことをどう思っているのかも聞けると、もっと嬉しい」
 はぐらかされるのを承知でずけずけ言うと、彼は翠色の瞳をちょっとだけ見開いた。それから、事も無げに言う。
「そんなの、言わずとも、わかるだろう?」
 にっこりと、完璧なまでに美しく微笑まれ、サイファは敗北を認めた。愛想笑いですらない、自分の感情を一切のぞかせないための笑顔。
 今に、見ていろ。いつの日か、必ず素顔と向き合ってみせる。
 深更。
 サイファは自室を出て、薄暗い廊下をユウザの居室へと急いだ。
 ヘンシェル・アマンとの約束の時間まで、あと三十分。彼は、時計塔の入口で待っているはずだった。
「ユウザ、起きてる?」
 周囲を気遣い、声をひそめて戸を叩くと、すぐに内側から鍵が開けられた。
「ずいぶん、張りきっているな」
 時計塔までは五分もあればじゅうぶんなのに、とユウザが笑いながら招き入れてくれる。
 そういう彼の格好も、いつでも出られるよう支度がすんでいた。腰の長剣は相変わらずだが、深緑の外衣[マント]をつけた軍装を見るのは久しぶりである。
「あんたが寝ぼけてたら困ると思って」
 サイファは憎まれ口を返した。
 本当は、晩餐が終わってからずっと、そわそわしっぱなしで、独りでのんびり待ってなどいられなかった。それでも、あまり早く訪ねては迷惑だろうと思って、この時間まで辛抱したのだ。
「それにしても、張りきりすぎだ」
 ふいに、ユウザの声音が硬質になった。そんな物騒な物を持参せねばならない相手に、私は会いに行かされるのか? と、彼が指差したのは、サイファが用心のために持ってきた弓矢だった。
「しかも、その矢――私が買ってやった風の矢≠ナはないか」
 何を考えているのだ、と呆れられ、サイファはムッとして言い返した。
「買って貰って≠ネいよ! あんたから、預かってる≠セけだ!」
 ルファーリの武具屋でユウザが買い求め、自分に託されたこの二本の矢は、彼女の宝物だった。時折眺めては、いつかユウザのために使うのだ、と大事に取って置いたのだ。
「だったら、なおさら置いていけ。お前の楽しみのために買った矢で、人を殺める羽目になったら、どうする?」
 後味が悪すぎるぞ、と苦笑して、ユウザは彼女の手から矢を二本とも取り上げた。
「あ、ダメ! 返して!」
 サイファが伸び上がって奪い返そうとするのを、背の高い彼は腕を掲げて、あっさり阻む。
「駄目だ」
「あたしだって、使うつもりはないんだよ! 念のため、持って行くだけなんだから!」
「念のためのつもりが、実際に使うことになったら困るだろうが」
「それはそうだけど、実際に使うかもしれないなら、なおの事もって行かなくちゃ!」
 サイファは必死に言い募った。
 ヘンシェルを頭から疑う訳ではないけれど、心の底から信じている訳でもなく、何か不測の事態が起きた際に拠り所となるものがほしかった。ユウザの身を護らねばならなくなった時、自分の武器はこの弓しかないのだから。
 備えあれば患えなしって言うだろ! と、しつこく食い下がると、ユウザは溜め息まじりに妥協した。
「では、一本だけにしろ。こちらは預かっておいてやる」
 そう言って、矢の一本を机の抽斗にしまってしまう。返してほしければ無事戻ってくることだな、と。
「もちろん!」
 サイファは力を込めてうなずいた。
 この後、例え自分の身に何があろうと、ユウザだけは絶対に傷つけさせない。そう、神に誓ったのだ。
 裏庭へ出ると、折り良く月が群雲に隠れた。天も自分たちに味方してくれている。
「――まさか、お前と二人で夜中に城を抜け出す日が来ようとはな」
 夜陰にそびえる尖塔を目指しながら、ユウザが低く笑った。帝都防衛隊に属していたころには想像もしなかった。
「あたしだって、今も信じられないくらいだよ」
 これから向かおうとしている時計塔は、夜毎の逃走劇で何度か潜伏を試みた場所だった。大きな歯車がむき出しになった、異世界のような空間。
 思えば、最後の逃亡を企てた夜――ユウザが自分の教育係を命じられた日も、あそこに隠れたのだった。そして、運命の歯車が噛み合い始めた――。
(あの日、あの場所に逃げなかったら、どうなっていたんだろう?)
 今ごろ、違う未来が拓けていたのだろうか? それとも、巡り巡って、同じ道を辿ったろうか……?
 サイファは、ほぅ、と小さく息をついた。闇の中、隣を歩むユウザの気配が近い。
「緊張しているのか?」
 耳聡く溜め息を聞きつけられ、サイファは、ううん、と首を振った。
「ちょっと考え事してただけ。――あ、見えてきた」
 約束の場所に、薄ぼんやりと人影が見える。長い三つ編み頭の、ヘンシェルだ。
「あれが相手か?」
「いや、あれは只の付き添いだよ。本当に用があるのは、ヘンシェルの――」
 ユウザの問いに何気なく返した瞬間、勢い良く肩をつかまれた。
「待て! 今、ヘンシェルと言ったか?」
 あそこに居るのはヘンシェル・アマンなのか? と、強い語調で重ねて問われ、サイファは戸惑いがちにうなずいた。
「そうだよ――」
 答えた刹那。
 暗闇を引き裂くような風音と共に、立ち止まった二人の足元を何かが穿[うが]った。
「!?」
 矢だ。
 それも、一本ではない。地面に[]りこむ鈍い音が、立て続けに響く。
 奇襲だ!
 裏切られたのだ、と悟ると同時に、サイファはユウザを背に庇い、弓を構えた。次の攻撃を迎え撃つべく、周囲に視線を走らせる。
 と、その時、すぐ背後で高い指笛が響いた。何者かへ向けての、明らかな合図。
 驚いてふり向いた先に、唇に当てていた右手を静かに下ろすユウザの姿があった。そして、四方から駆けつける複数の足音――。
「ユウザ様!」
「私は無事だ! この場に居た人間を、一人残らず捕らえよ!」
 どこに隠れていたものか、暗がりから真っ先に飛び出してきた大男は、ナザル・ベークだった。他にも、屈強な兵士が十数人、瞬く間に時計塔を取り囲み、入口で突っ立っていた人影を難なく取り押さえる。
 この、あまりに思いがけない展開を、サイファはただ呆然と、部外者のように見守るしかなかった。一体全体、何が起きたのか?
「約束を破らせて、悪かったな」
 ふいに、ユウザが悪びれた風でもなく謝った。
「お前は密かに≠ニ頼まれたのだろうが、私は初めから一人で来るつもりはなかった」
 皇太子という立場上、名前すら明かさぬような不審人物を相手に冒険する訳にはいかない。相手が約束を守るようであれば、こちらも穏便にすませる予定でいたが、この状況は見逃せない。許せ、と。
「……仕方ないよ。現に、罠だったんだもん」
 未だ夢心地のような虚ろな頭で、サイファは静かに首を振った。徐々に現状を理解し、あんたの判断は正しかった、と答えつつも、救いようのない遣る瀬なさに襲われる。
 一時[いっとき]でも自分が信じた、あのヘンシェルの熱意は、一体何だったのだろう? 叶わぬ恋に身を焦がした妹など、最初から存在しなかったのか……?
(あたしは、人を見る目がないのかもしれない)
 サイファは落胆とも敗北感ともつかない、どんよりと沈んだ気持ちで、塔の入口を見やった。
 捕らえられたヘンシェルは、両脇を兵に押さえられながら、何事か大声で喚いていた。しかし、その内容までは聞こえてこない。
「ユウザ様、ヘンシェル・アマン以外に、男が二名、潜んでおりました」
 兵を指揮していた男が、こちらへ大股に歩いてきた。
 年のころは、三十代半ばぐらいであろうか。黒髪緑眼の、精悍な雰囲気を漂わせた長躯で、サイファの見知らぬ顔だった。
 すると、視線に気づいたのか、男はサイファの顔をちらと見て、艶っぽい目配せをよこした。だが、ジロリと睨み返してやると、おどけたように眼球を回し、屈託のない笑顔になった。その表情や人あしらいが、どことなくテラに似ている。
「その者たちが実行犯か?」
 報告を受けたユウザは、己の倍ほども年上のその男に、さり気なく――しかし、容赦のない肘鉄を食らわせながら返事を促した。こら、ファルス。遊んでないで答えろ、と。
 どうやら、互いに気が置けない間柄らしい。ファルスと呼ばれた男は、 あ[いた]たた……と、大げさに身をよじるフリをしてから、すっと真顔に戻った。
「恐らくは。二人とも、弓矢を携えておりました」
「ヘンシェルとの関係は?」
「奴に雇われたと申しております。ですが、ヘンシェル自身は、見たこともないと、頑なに否定を」
「それは、そうだろうな。自分がやったことでも、一応は、やっていないと答えるのが犯罪者の常だ」
 そう話す間に、塔の内から男が二人、後ろ手に縄をかけられた状態で出てくるのが見えた。先頭を行くナザルの手には、犯人から押収したと思われる、大ぶりの弓が握られている。
 その弓を見て、サイファは首をひねった。
(あんな大きな長距離用の弓で、あそこまで速く連射できるか? 普通……)
 一人の射手としての、単純な疑問だった。
 仮に、二人が、それぞれの弓を使って交互に撃ったとしても、あれほどなめらかに、連続して射るのは難しい。弓幹[ゆがら]が大きければ、当然、弦も相応の長さになり、引き絞るのに必要な力も、時間も、余計にかかる。
 腕力があって、技術もあれば、連射自体は決して不可能ではないが、それにも限度というものがある。少なくとも、先ほど降ってきた矢は、その限度を遥かに超えた素早さだった。
 サイファは改めて、大地に刺さったままの矢を見下ろした。そして、今度こそ、はっきりとした違和感を覚える。
 犯人は、他にいる――。
 土に刺さった矢の角度で、これが目の前の塔から射かけられたものでないことが、すぐにわかった。一見、塔の上から射られたように映るが、もっと遠く、高い位置から、見下ろすように放たれている。
 それが適うのは時計塔より更に左後方――城壁の北西に配された物見櫓[ものみやぐら]しか考えられない。しかし、そこから今いる場所までは、射程外のはず……。
 その一瞬の疑念が、[あだ]となった。
 他に狙撃に適した場所はないかと櫓から目を逸らした時、視界の片隅でキラリと光るものがあった。それと同時に、自分が見落としていた可能性に思い当たる。
(しまった、風の矢なら――!)
 はっとして櫓の方へ視線を戻すと、こちらへ迫り来る一筋の光が目に飛びこんできた。
「逃げろ!」
 それが敵の矢だと気づき、サイファは隣で話しこんでいたユウザとファルスを闇雲に突き飛ばした。
 すかさず、自分も右前方にトンボを切るが、ヒラヒラした裾が脚に纏わりつき、着地に失敗してしまう。
 尻餅を着いたままふり返ると、ついさっきまで自分が立っていた空間を、一本の矢が物すごい速さですり抜けて行った。風狼石の威力だけでなく、敵は相当な上手だ。
 そして、狩人としても抜け目がなかった。
 意に反して座りこんでしまったこちら目がけて、もう一本、とどめの矢が放たれていた。
(野郎!)
 サイファは短く舌打ちした。すぐさま立ち上がろうと右足に体重をかけた途端、足首に思いがけない激痛が走る。運悪く、捻ったらしい。
 地面に両手を着いたまま、サイファは痛みに耐えた。この体勢からでは、もう[]けきれない。
 それならば、せめて一矢報いるだけ、と瞬時に思いきり、サイファは櫓に佇む人影に狙いを定め、[つが]えた風狼石の継筈[つぎはず]に唇を押し当てた。祈りの言葉を早口で呟き、限界まで引き絞った弦を一気に放す。
 その瞬間、矢全体が蛍火のように淡い緑色に輝いた。まるで、強い意志をもって飛翔する霊鳥のように、敵に向かって直進する矢を、目で追う。
 何て、美しいのだろう。
 生まれて初めて撃った風の矢は、自らの手で疾風を巻き起こしたような、不思議な感動を残した。
 やがて、自分が放った矢と、自分へ放たれた矢が、僅差のところですれ違い――。
「伏せろ、サイファ!」
 脇から、体勢を立て直したユウザがこちらへ腕を伸ばし、上体を無理やり引き倒そうとするのを感じながら、サイファは冷静に、間に合わない、と覚悟していた。
 焦りは、露ほどもなかった。
 飛んでくる矢の角度から、射手が狙っていたのはユウザではないと、確信していたから。
 この矢は、一直線に自分を目指している。
 大丈夫。ユウザが傷つくことはない。
 そう安堵した、正に、その時――。
「危ない!」
 サイファは、自分の目前に立ち塞がるように飛び出してきた、黒い塊を見た。
 そして、その塊に深々と矢が突き立ち、ゆっくりと、地にくずおれるさまを――。
- 2012.04.22 -
NOVEL || HOME | BBS | MAIL